トンネル工事用機械 その2

今度は、避難坑の方に来ました。こちらは「TBM」で掘削の予定です。TBMというのは、「トンネル
ボーリングマシン」の略で、言わば「トンネル掘削ロボット」です。
この日は一般向けにメーカー(小松)による説明会を行っていました。小松はこんな機械も作ってい
るんですねえ。



掘削径4.5m、改良オープン型のTBM。オープン型というのは側にカバーがなく、中身がオープンに
なっているもの。逆に全部カバーされているものを「シールドタイプ」と言います。下水工事などでよく
使われる「シールドマシン」もTBMの一種なんですよ。改良オープン型というのは、オープン型とシー
ルドタイプ中間と思えば良く、それぞれの長所を生かした機械といえます。

            
 


カッターヘッドには、そろばんの玉のような「カッターディスク」がたくさん付いています。カッターの位置
はランダムに付いているように見えますが、中心から数センチ毎にカッター円の軌跡が描かれるように
設計してあるのです。カッターは機械の内側から交換できるようになっています。
ところで、なぜこんなので岩が掘れるのかというと、カッターが回転しながら岩盤に押し付けられ、岩が
圧砕されるわけです。削るわけではありません。壊すというのが正しいでしょう。割れた石は下に落ちま
す。それがスクレーパーという開口部(この機械では4つ見えます)から内部に入っていきます。スクレ
ーパーはスコップのようになっていて、上に行くと中身が下に落ちるというわけ。そこに受け皿があって、
ベルトコンベアに乗っかるという仕組みになっています。あとはトンネルの外までベルトコンベアで運ば
れるというわけです。

             

ここが、TBMで掘削する前の避難坑。コンクリートの枠のようなものが見えますが、これがTBM発進用
の反力ブロック。ここにグリッパを押し付け、スラストジャッキで前へ掘進するのです。

前のページ