トンネル工事の機械たち

ここでは、あるトンネルにおけるトンネル工事用機械について紹介します。トンネルはこうやっ
て作られていたんですね。



説明看板の前に来ました。このトンネルは全長4350mで、掘削工法は本坑がNATM工法、
避難坑がTBMによるものとなっています。NATMというのは日本語で言うと「新しいオースト
リア式トンネル掘削工法」という意味の頭文字を取ったものです。特徴は、地山が崩れてこな
いよう、ロックボルトという金具を放射状に打ち込み固定する、いわば吊り天井のような構造で
す。



トンネル本坑の坑口です。坑口の上に神様がお祀りしてあります。工事の安全を願う気持ち
は、昔から変わっていません。ではトンネルに入ってみましょう。



入り口の近くに、「ドリルジャンボ」という機械がありました。これは2ブーム・1ケージタイプで、
中型の機種です。今日は使っていないようです。ブームというのは、さく岩機を取り付けるアー
ムで、ケージというのは操作員の搭乗するカゴのことです。
ドリルジャンボは、ダイナマイトを仕掛ける穴を掘ったり、ロックボルトという地山を固定するボル
トの穴を掘ったりします。

              

今度は、発破で砕いた岩石(ズリと言います)をトラックに積み込む、「ズリ積み機」がありまし
た。ものは普通のトラクタショベル(ショベルローダ)ですが、タイヤには石でタイヤが傷まない
ように、チェンのような金属製のカバーが付いています。



もう1台ドリルジャンボがありました。こちらは3ブーム2ケージの大きなもの。今はこれを主体
に使っているようです。今日は整備をしているところでした。
使用する環境が厳しいところなので、整備をしっかりやっておかないと、作業計画に影響が出
てしまいます。
 
                  

次は「コンクリート吹き付けロボット」がありました。掘ったところにH鋼を建て込んだ後、一次
覆工(ふっこう)のモルタル吹き付けを行ったり、切羽を安定させるために吹き付けをしたりし
ます。



もうすぐ切羽です。ここには「送風機」がありました。トンネルの中は埃や排ガスが充満するの
で、送風機で強制的に換気しないと作業ができないし、工夫さんの健康にもよくありません。
ここでは中から外へ排気する方式をとっていました。



ついに切羽に到着しました。切羽の面のことを「鏡」とも言います。写真ではモルタル吹き付け
がしてあります。右の方は水が少し出ています。
この鏡に、ドリルジャンボで削孔し、ダイナマイトを仕掛けるのです。

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