特別編「3度目のイタリア その1」

今年、2018年の夏は暑かった。
そんな中、日本よりもっと暑いとテレビでも言っていた、イタリアへ行ったのだが、やはり現地は暑かった。なんといっても連日40度オーバーだったのだ。
日本よりさらに暑いところにわざわざ行かなくてもいいようなものだが、すでに4月には予約入れてしまっていたので、もう行くしかない状況。
まあ、前回のイタリア(2005)も暑かったし、まあなんとかなるさと出掛けることにした。

0日目
今回は昼に飛ぶ便だったのだが、出発は成田だった。
さすがに飛騨を朝出て、集合時間の10時45分に成田に着くのは不可能なので、前泊にした。
宿は空港近くのホテルで、ビジネスホテルのようなものだが、空港に近いので夕飯や翌日の朝飯、昼飯は空港で食べることにした。

1日目
今日はイタリアまで12時間くらいのフライト、ローマに着いてから国内便に乗り換えてバーリまで。その後バスに乗ってアルベロベッロまでと、丸1日移動だ。
朝、早めに宿を出て、空港へ。
外貨の交換や荷物のラッピングなどやっているうちにすぐ集合時間になってしまった。
その後は荷物預けるのに長蛇の列で、時間がすごく掛かる。その後も出国の手続きやセキュリティチェックなどもまた長蛇の列で、もうすでに嫌になっていた。まあ、夏休みだしなあと、あきらめた。


出発ロビーまで来れば、ほっと一安心で、テレビで高校野球など見て過ごした。
そうこうしているうちに、搭乗が始まって、いざ出発。今日はランチアでもおなじみのアリタリア航空だ。

しかしイタリア行くのに何が苦痛かって、この移動時間の長さがが大変。セレブであればビジネスクラスに乗って楽ちんなのだろうが、一般人としては、エコノミークラスな訳で、もう狭い座席でなんとか居心地の少しでも良くなるポーズを試行錯誤し、とにかく寝るしかない。

うとうとしていると飲み物や機内食が出て、飲み食いしたらまた寝る。うーん寝たような寝てないような中半端な状態。
2回目の機内食は現地時間に合わせて出てくる。あまりお腹空いてないが、とりあえず食べる。

で、昼に成田を飛び立って、12時間も掛かったのに時差が7時間あるので、ローマに着いたらまだ明るい。
乗り換えまで時間があるので、空港で何か食べてもいいですよと、添乗員さんには言われたが、到着する少し前に機内食食べていたので、嫁さんもなにも要らないと言う。
しかしながら、前回は夜になってお腹空いた覚えがあったので、コンビニでパニーニと水を購入。
前回の経験からも、水はおそらく大量に飲むだろうな。自分はナチュナーレ(普通のミネラルウォータ)にしたが、嫁さんはフリザンテ(ガス入り)を買っていた。
しかし13年前はコンビニなんて無かったよなあ、と思いながらお金払うと、おつりもちゃんとくれた。
旅行中、小銭は大量に必要となるので、小銭はしっかりキープ。

再びアリタリアの国内線に乗り込み1時間ほど、バーリに到着。
しかし眠たい。時間は23時頃なのに、と、よく考えたら時差があるのだった。日本時間では朝の6時頃。つまり、徹夜したのとあまり変わらない。眠たいはずだ。
バスに揺られて1時間半、ホテルに着いた頃にはヘロヘロだった。やはりヨーロッパはきつい。
シャワー浴びて寝た。

2日目
今日は、朝からアルベロベッロを観光。アルベロベッロはトウルッリ(単数形はトウルッロ)という石を積み上げた三角屋根のかわいい家並みが有名な街。
朝一番で宿からトウルッリ地区まで歩いて行く。添乗員さんが「ヨーコさんの家」の屋上に上がらせてもらえるよう話をしてくれていた。
ヨーコさんは日本人で、アルベロベッロに嫁いだ方。今はトウルッリ地区でお土産屋さんを営んでいる。実は前回アルベロベッロに来た時にも、ここの家の屋上に上がらせてもらった覚えがある。日本人観光客にはおなじみの場所なのだろう。
嫁さんは絵はがきと切手を買っていた。

 
↑朝早いので、トゥルッリ地区へ行く途中の商店街?はまだ閉まっている。    ヨーコさん家の屋上。ここからの景色は有名。

 
トウルッリの三角屋根を内から見ると、きれいに石が積み上げられている。    壁に掛かるカギの束。時代を感じさせる。

 
煙突に映るニワトリ                                    塀の上の壺。地震がないことを祈る

ヨーコさんの家から出て、自由時間があったので、あちこち歩いてみる。
実は、このアルベロベッロに、リネンのお店があって、そこに「マリアさん」という名物なおばあちゃんが居る。そのマリアさん、飛騨の白川村とアルベロベッロが姉妹提携した時など、何回も白川村に来ていて、日本でアルベロベッロの紹介番組があったりすると、テレビにもよく登場する有名な方なのだが、うちの嫁さんが白川村に昔住んでいたこともあったことから、前回アルベロベッロに来た時に、たまたま入ったのがこの店で、マリアさんと白川村の話で盛り上がり、しかもその次にマリアさんが白川村に来られた時に再会して、土笛のお土産までもらってしまっていた。
それが、今年になって、またテレビにマリアさんが出ていて、それを見た嫁さんが「マリアさんにまた会いに行く」って言い出したのが、実は今回の旅の発端。

で、13年ぶりにマリアさんのお店に行くと、マリアさん出掛けていて、もうすぐ帰ってくると思うんだけどねえ、と娘さんが教えてくれた。
ああ、残念だったなと思い、日本から持って来たお土産を娘さんに預けて帰ろうとしたら、なんとタイミングよくマリアさんが帰ってきた。嫁さんはマリアさんと抱き合ってよろこんでました。しかもマリアさん、コーヒーでも飲んで行きなよ、というので、お家に入り込んでコーヒー(イタリアでコーヒーとは普通にエスプレッソ)をいただいてしまった。

マリアさんの店は絵はがきにもなるくらい知られた家で、正面からみると6連のトウルッリになっている。三角屋根にはキアンカレッレというキリスト教のシンボルマークが描いてあるのだが、マリアさんの家にはハートの絵(聖母マリアの貫かれたハート)もあり、有名な写真スポットになっている。内部は土鈴や土笛などお土産屋さんになっているが、奥に行くとリネンのお店になっていて、お店の横に住居部分がくっついている感じ。

もっとゆっくりしていきたいところだが、集合時間もあるので、コーヒーいただいて、おいとましたが、帰りがけにマリアさん手作りのお菓子まで袋に一杯もらってしまいました。
ぎょうざの様な形をした、中にクランベリーのジャムのはいったクッキーパイのようなお菓子で、美味しかった。
マリアさん、ずいぶんお年だと思うが、いつまでも元気でいてほしい。

 
教会もトウルッリになっている。クレーン車で鐘楼の修理中。          立派なお屋敷風トウルッリ。

 
絵はがきのような景色だが、普通の路地裏。                    お土産屋さんもシンプルで好感の持てる感じ。

集合時間となって、次の観光地マテーラへ。バスに乗って1時間半くらいか。
マテーラは「サッシ」という洞窟住居群のある街。アルベロベッロのトウルッリ地区もそうだったのだが、ここも「世界遺産」の街。
旧市街は、衛生環境が良くなくて、疫病なども多く、一時は人口が減っていたのだが、最近はまた住む人も増えて家賃も高騰しているのだとか。

 
サッソ・バリサーノ(人も多く住んでいるやや新しい地区)、普通の街に見える。   昼食はオレキエッテ(耳たぶ形のパスタ)

 
普通の街に見えるが、岩をくり抜いて作った部分に石のブロックを積み上げた構造。   骸骨のレリーフがある、お寺    

 
何か映画の「魔女の宅急便」に出てくるような風景。             とても暑くて、日陰がうれしい。自転車はアタラ。

 
サッソ・カヴェオーソ地区(旧市街:やや古いところ)最近人気で不便を楽しむらしい。   イベコのトラックと観光用のピアッジオ3輪車

 
13年ぶりの「サンタマリア・デ・イドリス教会」岩山にしか見えない。      古い洞窟住居(10万年くらい前)さすがに人は住んでいない。


普通の住居。ほんとに人が住んでいるのかな、という感じ。

今日は観光初日だが盛りだくさんな1日だった。今日も昨日と同じ宿に連泊。ホテルで夕飯食べて寝た。

3日目
朝、早起きして、静かなアルベロベッロを歩きたいと嫁さんが言うので、朝飯前に出掛けてみた。
トウルッリ地区は大きくは2地区(アイアピッコラ地区、モンティ地区)が有名。観光客がよく訪れるのはモンティ地区。昨日はモンティ地区へ行ったので、今日はアイアピッコラ地区へ行くことにした。

 
トウルッリ地区へ行く途中。ガソリンスタンドとピアッジオの修理工場。    前日、ヨーコさんの店で買ったハガキを、タバッキ(タバコ屋)のポストに投函。 


市役所前の高台からトウルッリ地区(モンティ地区)を見る。

 
古い壺を売っている店。                               朝早いので店も開いてない。

 
ゴミ収集車やタンクローリーが活動。意外にもイタリア人は朝からバリバリ働く。    観光の地区から外れたところだが、とても雰囲気のある民家。  


古い500が置いてあるだけで、絵になりそうな、ホテルの玄関先。

朝の散策から帰って、朝食を食べる。
今日の観光はポンペイ遺跡。その後、カプリ島へ渡る予定。
バスに乗って出発するが、約4時間、300km以上の移動だ。途中、トイレ休憩など取りつつ、ポンペイ到着。もう昼なので、まずは腹ごしらえ。

 
さすが南イタリア、シーフードの盛り合わせ。例によって大盛り。     ピザは3種類から選べたが、一人1枚、やっとで食べきった。

食事の後は、いよいよポンペイ遺跡へ。
前回も来たのだが、観光の時間も少なく、ダーッと見ただけ。

 
お風呂場の天井に描かれた女神。絵というか、もはやレリーフだよね。   13年ぶりのベスビオ火山。現在噴火はしていない。フニクリフニクラで有名。

 
フオロの柱。修復部分が痛々しい。                  船着き場の跡。昔は海水面が高かったのか、地盤が隆起したのか

 
柳の木にも見えるが何の木でしょう?とガイドさん。       葉っぱはこんなの。臭いを嗅ぐと・・なんと胡椒の木でした。

ポンペイの後は、ナポリに約1時間かけて移動。今度は船に乗り換えて、カプリ島へ。

 
ナポリの港の前にある城跡。海からの侵略者から街を守る要衝だったのだろう。   カプリ島行きの切符。

 
いざ、高速船に乗って出発。                  カプリ島は岸壁に建物がくっついている。改造や増築でつぎはぎ。

もう夕方なのでカプリ島の観光はなし。夕飯食べた後は、ペットボトルを買いながら、夜景を見にちょっと出掛けた。

 
ズッキーニの入ったカルボナーラ。             いかにもイタリアンな味付け。ペンネ腹一杯に食べた後にこれが来るのがキツイ。

 
しかもデザートまでしっかり出てくる。              猛暑で昼は暑くて、夜の人出のほうが多いかも。ウンベルト広場

4日目
今日は、朝一番から「青の洞窟」へ行く。
前回来た時は、港からクルーザーに乗って、洞窟の前で小舟に乗り換えたのだが、今回はミニバスで洞窟のすぐ上まで来て、いきなり小舟に乗り込む。
やっぱり、すごく青いです。
 
普通に外の海もめちゃ青いです。                   中から見ると、ほんとにきれいな青。

青の洞窟は朝一だったので、待ち時間もほとんどなく、時間に余裕ができたので、アナカプリの街で自由時間となった。
お天気も良かったので、リフトに乗ってソラーロ山(589m)空中散歩。山のてっぺんの展望台でとてもいい景色を堪能した。ジェラートはやはりレモン味。

 
古い500に乗っている人発見。クラブイタリアのステッカーが貼ってある!   リフトに乗って空中散歩。空も海もほんとに青い。

 
お昼はボンゴレだったが、貝がアサリというかハマグリに近い種類。これは贅沢。   カプリ島と言えばシーフードフライとお約束のレモン。

お昼が済んだら、また船に乗ってソレントへ。その後はアマルフィ海岸を走り、またナポリへ向かって市内観光。今日も今日とて忙しい。

 
船の中の売店。トートバッグがおしゃれ。           カプリ島出航、クルーのおじさん、いかにも海の男って感じ。

 
ソレントに到着。きれいな港。なかなかこういう港は日本にない。    バスに乗ってアマルフィ海岸を行く。展望台から見る海がまた青く透明。

 
ポジターノの街で下車観光。真ん中の階段は、トイレなのだが、例によって地下。   レッカー車が居るが、駐車違反を引っ張りにきたのか?

 
お天気いいし、ほんとに皆海が好きなんだな。        ナポリ、サン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂前広場。市民の憩いの場。

 
通りを歩く。昔、ナポリは治安悪いから外を歩くなと言われていたのだが・・    普通にお土産屋さんにも人だかり。だが、スリには気をつけなければならない。

 
ガレリア内の土産物屋さんの店先。観光客用のポストもある。(海外向けは黄色)   ウンベルト1世のガレリア。お約束の構図。ミラノのガレリアよりは小さいらしい。

 
ガレリア内の床にはモザイク画。               幾何学模様は全て大理石。産地により違う色を組み合わせている。

 
よくもまあ、石にこれだけ細工をしたもの。         日が傾いて、日陰に入ると涼しい。

 
夕飯は、やっぱりイタリアンだが、今日はおしゃれな感じ。     肉も柔らかくておいしい。

 
デザートは南イタリアらしく、レモンケーキ。             ホテルに向かう帰り道。日本では絶滅したトロリーバスが普通に走っている。

今回、ナポリ市内観光があり、昔のイメージがある僕には、時代が変わったのだなと思えた。まあ、安心はできないのだが、普通に歩けるのがすごいと思えてしまう。

5日目に続く