セイコーは名実ともに日本一の時計メーカーだと言ってよいだろう。
その中でもグランドセイコー、キングセイコーのシリーズは、メカニカル時計の分野では一時代を築
き、世界の頂点を極めた。天文台クロノメーターをクリアした機械を作ったのも日本ではセイコーだけ
だと言われている。
しかしながらスイスの時計メーカーが機械式時計に情熱を注ぎ続けているのとは対照的に、日本の
メーカーは主力をクオーツに明け渡し、セイコーの世界最強手巻ムーブメントCal4500Aも過去のもの
となってしまった。

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グランドセイコー(61GS)
型番 Ref.6145
機械 Cal.6145A 25石 36000振動/h(10振動/sec) 自動巻
Case SS(SUS)
Dial  シルバー
Index バー
諏訪精工舎製
※ブレスレッドはノンオリジナル

このグランドセイコーは10振動自動巻では唯一のもの。曜日表示が付くものは6146となる。上位機
種には61GSスペシャル、61GSVFAが存在した。
このムーブメントはキングセイコーにはない。
当時は諏訪精工舎と第二精工舎のふたつの工場で機械式腕時計が作られていて、お互いに競って
優れた時計を作っていた。

自動巻の世界では10振動ムーブメントと言えば、ゼニスの名機エルプリメロが有名だったのだが、
セイコーにも10振動自動巻機械が存在した。しかしこのムーブメントも消滅してから40年、最近にな
って(2009.3)やっと復活した(Cal.9S85)。

ロービートの機械は「チクタク」という音がするが、ハイビート(8振動以上)は「チキチキ」という音です
ぐ判る。1時間で36000振動、1日で864000振動も行う、超精密機械のみが発する音だ。
なおゼニスのエルプリメロはロレックスのデイトナRef.16520にも搭載されていたが、信頼性重視のた
め8振動(28800振動/h)にディチューンされたという。
セイコーも61GSの後継、56GSでは8振動機械になってしまった。しかし僕の使っていたグランドセ
イコーには36000の数字が誇らしげに表示されていた。

※この61GS、残念ですが手放してしまいました。