峠について
このページは、飛騨近辺の地元人がよく利用している道路、峠を紹介します。

峠の使われ方
峠という文字は、まさに山を上り下りするわけで、山用語では「乗越(のっこし、のりこし)」と言う。道の途中に山が
あれば、そこが峠と言うわけ。峠は山のピークを通過することは少なく、コル(最低鞍部)を通過することが多い。
これは、山登りが目的でなく、生活道路としてやむを得ず山を越す必要があったからだろう。
高山市を含め、飛騨盆地に出入りするルートで山を越さなくてもよいのは1ルートしか存在せず(越中西街道)、トン
ネルのない昔は峠を通るのが常識であったのだろう。
しかし「峠フィルター効果」というか、峠のおかげで古き良き暮らしやモノが守られて来たのは間違いない。
しかし最近はトンネルという「風穴」のため、招かざるものも来るようになってしまい、今後も「飛騨らしさ」が残るかは
疑問が残るところ。環境問題と同じく真剣に考えなければならないことではある。

瓜巣峠(寿美峠/名張峠)標高663m

 瓜巣峠(国府側)

この峠は小さな峠だが、僕にとってはおなじみの峠。県道471号、谷高山線の国府町と高山市の境となっている。一般的には寿美峠となっているが、僕は瓜巣峠と言った方が分かり易い。高山市内からは、国道41号から高山インター・高山国府トンネルへ直進せずに、ランプを降り、交差点を右折して、久美愛厚生病院前の信号を左折すると入れる。その先道は細くなるが、このあたりも中部縦貫道の高山ICのため用地買収され、建て直したきれいな家が多い。ここを過ぎると峠に入り、棚田なども見られる。初夏にはホタルの飛ぶところでもある。高山から国府方面はブラインドコーナーも多く、個人的には国府から高山方面へ走る方が走りやすいと思う。車での追い越しのポイントはほとんど無く、国府側で旧坂ノ上建設の資材置き場前の短い直線くらい。国府町の瓜巣近辺は桃の産地で、山の斜面に桃の花が満開になるころはとても美しい。


西ウレ峠 標高1113m
西ウレ峠といえば冬場の難所として有名だが、昔のことを思えば格段に良く整備されている。「せせらぎ街道」と呼ばれるこの道は、県立公園にもなっていて、岐阜県はかなり遊歩道整備などに力を入れているもよう。場所は清見村となるが、この峠が実は本州の分水嶺となっている。春は新緑、秋は紅葉と見所がたっぷりあり、高速道路が通るようになっても、観光目的ならこちらに軍配を上げたい。この街道ではもうひとつ「坂本峠」があるが、トンネルが出来てから車はほとんどこちらを通っていることから、峠としては実質この路線唯一といって良い。アクセスは高山からなら、国道158号を白川村方面へ行くと、清見村役場を越えた最初の信号に「せせらぎ街道」の看板が出ているのですぐわかる。ちなみにトンネルは現在無料化された。

                  西ウレ峠

数河峠(すごう峠)標高896m
数河峠と言えば冬季において国道41号の最大の難所として有名である。年間降雪量は10mを超える年が多く、スタックした車による渋滞もしばしば。ヘヤピンカーブがあったり、勾配もかなりきついところがあるが、僕のデルタにはギヤが合っているのか、気分よく走れる峠でもある。途中で神原峠への分岐が神岡町側にあり、走り比べもできる。峠の近辺にはスキー場があり、流葉スキー場はMTBの大会があることでも有名。スキー場や峠の近くのドライブインには温泉もある。峠の高山側には「お助け水」と言われる湧水があり、水を汲みに遠くからやってくる人もいる。我が家もそう。最近では峠の頂上付近にある水汲み場の方が新聞などで有名になった。
なお、お助け水の水源の山に産廃処分場の建設問題が発生し、これはお助け水の水質に影響することから、とても心配している。
地元では建設反対をして、水源を守ろうとしている。
 お助け水   数河峠高山側

湯峰峠 標高700m
一般にはあまり知られていない、古川町と河合村の間にある静かな峠。ほとんど地元の生活道路となっている。平成11年の災害時には河合村の生命線ともなった峠で、交通断絶という最悪の事態は免れた。かわいスキー場へのショートカットルートとしては結構知られている。自転車の練習には最適なコース。ただし直下にトンネルが開通し、峠道は荒れてしまった。最近の情報としてほとんど通行止め状態であり、廃道へ向かいつつあるようで寂しい。国道41号、袈裟丸農協の交差点から桃源郷温泉方面への看板をたどり、道なりに行けば峠へとつづいている。ただし途中で寸断され、車では通行できないところもある。

湯峰峠

神原峠(かんばらとうげ)標高872m
数河峠とならび、この辺りでは大きな峠。国道41号のルート決定で負けた峠として有名。道としてはこちらの方が、平坦部が多く良かったのではないかといまだに言う人も多い。国道41号の杉崎農協前の中野交差点(歩道橋がある)を、しも(富山)に向かって右折すると自然に入れる。入り口の辺りは狭いが、峠まで登ってしまえばあとは平坦ないい道。ダムがあったり、判りにくいが十三墓峠へショートカットして上宝方面へ行く道があったりする。

小鳥峠(おどりとうげ)
小鳥峠は実は地図には2つ載っている。大きい方(標高1002m)は国道158号のルートであるが、小さい方(標高1100m)は、古川消防署の交差点を山に入っていくと行ける。途中、寺地の方からの道や卯の花街道への道と交差しながら登っていくが、峠近辺は放牧場となっていて夏の間は牛が居たりする。下って行くと清見から来る道に出るが、河合村方面へ向かうとやがてロックフィルダムの下小鳥ダムに出る。このダム湖では河合村名物「河ふぐ」を養殖している生け簀があり、珍しい。この先はダムを渡り保峠で帰るか、角川へ出て国道360号に出ても良い。
国道158号の方は、かつては高山から飛騨清見ICに向かうには必ず通らなければならない峠だったが、平成16年の中部縦貫自動車道小鳥トンネルが開通して以来、交通量は激減。冬は写真のとおり、越えるだけでも大変な峠だが、峠近辺はミズバショウの群生地や絵本美術館などがあり、観光客も通ることから、廃道状態にはなっていない。
 国道158号小鳥峠    保峠

十三墓峠(大坂峠)標高953m
地図には大坂峠と載っているが、地元の人はだいたい十三墓峠と呼んでいる。国道41号国府町のバローホームセンターの信号を曲がり、跨線橋を渡り、ずいぶんと進むと三叉路で曲がり、大きな橋のところから峠が始まっている。上宝トウカイカントリークラブの看板が目印。峠頂上付近には、先のゴルフ場があり、風呂も入れる。峠の辺りはホタルが多いことで有名だったが、今は少なくなった模様(ゴルフ場の影響か?)上宝村役場への途中には京都大学の飛騨天文台があったりする。ここを下ると双六谷の入り口で、国道471では神岡方面、新穂高方面へ行ける。

安房峠(あぼうとうげ)標高1790m
この峠が有名なのも、上高地へのショートカットルートである「安房トンネル」の工事のためといって良い。峠は今では静かな観光道路となっている。峠の頂上には茶屋があったが、今は閉まっていることが多い。冬季は当然通行止めとなっている。茶屋の横から上に登ると、安房トンネルの換気塔がそびえている。ここの平地からは北アルプスの山々が見える。峠を下ると途中、中ノ湯温泉旅館があり、さらに下ると安房トンネルの出口と合流する。

平湯峠 標高1684m
平湯峠がいまだに良く利用されるのも、ここが「乗鞍スカイライン」の入り口となっているからに違いない。平湯トンネルが開通しても休憩地としての利用は結構多かった。ここからは、天気が良ければ白山などが展望できる。しかし2003年に乗鞍スカイラインは無料化とともにマイカー規制がかかり、自然環境を守るため「日本一高い標高にある有料道路」という看板は降ろすこととなってしまった。乗鞍観光客は、朴の木平スキー場か平湯バス停からバスで登ることとなり、平湯峠は通過地となるため寂れてしまった。ちなみに平湯トンネルは、国道トンネルとしては日本で最も高い標高にある。

宮峠 標高782m
国道41号を名古屋から来て、この峠の下りに入ると「飛騨へ来た」という感じがする。久々野町と宮村の境であり、宮川と、飛騨川を分ける本州の分水嶺でもある。峠の麓には飛騨一ノ宮の「水無神社」や「臥龍桜」があり、時期ともなれば観光や参拝客で賑わう。

天生峠(あもうとうげ)標高1290m
この峠ははっきり言って「まぼろしの峠」に近い。1年の約半分は冬季通行止めで、あとの半分は「災害復旧工事」のために通行止めが多い。では、いつ通れるのか?それは、夏場と白川村の「どぶろく祭り」を挟む前後のみと言って良い。新聞などで、紅葉のきれいな天生峠とよく紹介されるが、この道の厳しさは一度味わってみないとわからないだろう。軽い気持ちでは通れないルート。この峠のある籾糠山には、日本で2番目の長さの東海北陸自動車道「飛騨(天生)トンネル」が通っている。

舞台峠(ぶたいとうげ)標高693m
下呂の市街地から南に向かい、帯雲橋で国道41号と分岐している国道257号を中津川方面へ向かうと、美濃(東濃)と飛騨の境にある峠だが、道路には縦目地が切ってあって走るのが怖い。おまけに音の出る段差が付けてあるのだが、これも面白くない。

飛騨乗越 標高3020m
峠の定義からすると「日本で一番高いところにある峠」とされている。場所は槍ヶ岳直下である。自動車での通行は出来ない。一度自転車で挑戦してみたい。

 飛騨乗越

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