番外編2「ShinZanのイタ飯日記」
イタリアへ行ったのだが、旅行での楽しみの一つが「食べること」だろう。
「喰う」「寝る」「遊ぶ」が旅行の要素である以上、食事とホテルの部屋の程度というのは非常に重要だ。
やはりイタリアへ行くのだから、本場のイタリア料理をたらふく食うのも悪くない。

1日目
アリタリアの飛行機に乗り込んで少し経つと、さっそく機内食が出てきた。日本食とイタリアンが選べたのだが、まわりの声は圧倒的に「イタリアン」の声が多い。うちもイタリアンを頼んでみたのだが、後ろの列にフライトアテンダントさんが移動すると、「イタリアンは終わってしまいました」との声、思わず嫁さんと顔を見合わせてしまいました。
機内食のイタリアンは見た目よりボリュームがあって、デザートにでっかいブルーベリーパイまで付いていた。飲み物もフリードリンクなので、「ワインください」を連発、行きの飛行機内で4本もボトルを空けてしまった。飛行機の中は気圧の関係で酔いの回りが早いので、飲み過ぎには気を付けようね、と言っていたのがこのありさま。
アリタリアの飛行機で出てくるワイン(赤・白あり、アリタリアマーク入り)

でも幸いにも気持悪くなるまでには至らなかった。一安心だ。食事が終わるとコーヒーのサービスがあった。イタリアンコーヒーなので非常に濃い。自分は日本で濃いコーヒーを飲むとお腹が痛くなるので、どうしようか迷ったが、飲んでみてもお腹は痛くならなかった。
2回目の機内食は現地時間の夕食に合わせて出てきた。こんどは日本食との選択はなかった。全員有無を言わさずイタリアン。もうどっぷりとイタ飯の世界に引きずり込まれた。
ミラノに着いてトランジットの待ち時間に、バールに置いてあるパニーニがとってもおいしそうだが、嫁さんはいらないと言うのでパスした。飛行機が遅れたこともあり、ナポリに着いたら小腹が減っていた。パニーニを買わなかったことを後悔した。

2日目
お腹が空いたので嫁さんともども早起きしてしまった。さっそくバイキングでたらふく食べる。
聞くところによると、イタリアの人は朝飯をほとんど食べないらしい。食べてもパンかクラッカーみたいなのをちょっと食べて後はコーヒー飲むだけのよう。
今日から観光なのだが、今回のツアーは全食事付きなので食事の心配をしなくてもいいのはありがたい。せっかくイタリアへ来ているのだから、イタ飯お任せコースみたいなものだ。
昼はカプリ島でボンゴレスパゲッティとシーフードフライ、デザートはカプリ島特産のレモンを使ったジェラートだった。
シーフードフライやスパゲッティは、目の前で盛りつけてくれて、食べてしまうと「お代わりどうだね」と聞いてくる。でも量多すぎで食べられません。

観光からナポリへ戻って、夕食はピッツアマルゲリータとミックスサラダ、デザートはでっかいカプリ風ケーキが出てきた。

途中雨が降り出したので(ガーデンスタイルだった)食べ切れずに残していた人もいた。ちょっと大きすぎというのもある。ビールやワインはがぶがぶ飲んだ。

3日目
朝食で隣のテーブルにイタリア人のビジネスマンが朝食を食べていた。噂とおり小さなクラッカーとコーヒーだけ。日本人ツアー客がばくばくと食べているのと対象的だった。
バスでマテーラの街へ行きサッシ(洞窟住居群)の中にあるリストランテで昼食。懐かしのペローニビールにも再会だ。

食事はペンネとローストポークだった。ペンネは黙っていると大盛りにしてくれる。ローストポークは大味だった。ケーキもペロリとたいらげた。
夕飯はアルベロベッロの街にあるトウルッリのレストラン。パスタはズッキーニの入ったオレキエッテ、メインは白身魚(すずき)のソテー、デザートは燃えるアイスクリームだった。


4日目
この日はバスで移動日だった。コセンツアの街で昼食。ゆでたまごの入ったラザニアはむちゃくちゃ旨い。豚肉の炒めはやはり大味、フルーツは皆すごく甘くて絶品だった。ラザニアは「お代わりどう?」と聞いてくれなかった。残念。

夕飯はナクソスのホテルから歩いて行った港沿いにあるリストランテ。ここではフルコースで前菜からしっかり出てきた。
ボリュームがありすぎて、女性陣は軒並み残していた。自分もさすがにお代わりは断った。前菜の次はリゾット、これは美味しい。その後にパスタ(ペンネ)も出てくる。しかも他の人が少ししか食べないので大盛りにしてくれる。もー食べられません。「お代わりどうだ?」と言われるがとても無理。でもチョコレートアイスクリームのお腹は残しておいた。




5日目
シラクーサで昼食。パスタはペペロンチーノスパゲッティ。うん本場のペペロンチーノは美味しい。メインはどでかいライスコロッケ(アランチーノ)が2個、味はやはり大味。女性陣は残している人が多い。自分はなんとか食べ切った。でもライスコロッケは1個で充分だったな。プチケーキは美味しかった。

夜はアグリジェントの神殿群が見えるリストランテ。シチリア風前菜(焼き野菜)にクスクス、でも野菜炒めだけで腹がポンポン。ジェラートは美味しい。


6日目
モンレアーレの街の昼食は、またしてもペンネ。よく考えるとペンネの出てくる確率が高い。こちらではスタンダードなパスタなんだろうか。メインはローストチキン。鶏肉はあまり好きではないのだが、この胸肉はしっかりした味で美味しかった。デザートに出てきたカスタードプリンに感動した。

夜はパルレモの街にあるレストラン。いわしのマリネが前菜に出てくるが、嫁さんは体調不調で残していた。オリーブオイルがかなり応えているようだ。よく考えれば植物オイルだものな。お腹が痛くなるのも判る。
 
しかし不思議なことに、自分は日本ではスパゲッティなどオリーブオイルが効いたものを食べるとてきめんにお腹が痛くなるのだが、イタリアに来てからというもの、そんな兆候がうそのように消えてしまった。不思議なことだ。本場のイタリア料理が体に合っているのか?ウニのスパゲッティも美味しく食べた。サラダは例によってなぜかパスタの後に出てくる。これも日本とは違う。味付けもドレッシングなどは無く、塩とオリーブオイルとバルサミコ酢などが振りかけてあるだけ。
でも自分はこのサラダ、けっこう気に入っている。
デザートはももが出てきた。缶詰でなくフレッシュなももは懐かしくもあり美味しい。嫁さんも食べていた。

7日目
嫁さんは体調不調で朝食もほとんど食べていない。心配だ。頑張って今日は日本に帰ろう。
飛行機の中で機内食は日本食とイタリアンが選べた。嫁さんはすかさず「日本食」と言っている。周りの声も日本食の声が圧倒的だ。今回はひとつでもほかの人に日本食を分けてあげようと思い、自分はイタリアンにした。
イタリアで調理されたイタリアン機内食はとても美味しい。鶏肉のソテーも絶妙な焼き具合で、こんな鶏料理だったら自分でも食べられる。鶏の種類も違うのだろうか。味が良く鶏独特の臭みも少ない。デザートのフルーツも美味しい。食事が終わったらアイスクリームまで出てきた。チョコクッキーにサンドされたアイスクリームだった。嫁さんは日本食を頼んだものの体調が思わしくなくて、小さな蕎麦を食べただけ。アイスクリームは要らないというので、自分が食べてあげた。「こんなに飲み過ぎ食べ過ぎでお腹痛くならないなんて不思議だ」と嫁さんは言った。

8日目
機内食2回目は日本の朝食時間に合わせて出てきた。ハムがしみじみとうまい。パンやヨーグルトもたいらげる。嫁さんはパンをバッグにしまいこんでいた。
こんな感じでやっと日本に着いた。家に帰る途中でうどん屋でうどんを食べた。嫁さんの食欲も少し回復し、ちょっと安心。
今回の教訓はやはり「旅行は体力がものを言う」ということだった。お腹が痛くなったり食事が摂れないと急激に体力が低下してしまう。自分で体調をコントロール出来る力も必要だと思った。
しかし、自分に限っては今回上手に体調管理が出来た。やはり「食べられる」というのは健康な証拠なのだろう。自分にはほんとうにイタリア料理が体に合っているのかもしれない。
イタリアでの昼食、夕食はほとんどコースのような形態だった。やはりこれだけ出てくると食べるのがきつい。とは言いながら、旅行会社も「ちょっと食事の量が少なかったね」とは言わせたくないので、これでもかというくらい出すのだろう。正直に食べていたら、日本に戻って2キロも体重が増えていた。
(2005.9.12)

おまけ イタリア人の生活
朝はごく軽い朝食。8時半頃に仕事へ行くが、ちょっと朝の仕事が一段落すると小腹も減っているので10時頃バールへ行ってしまう。バールへ行くと知り合いなどに会ったりして結局1時間ほど休憩。仕事に戻るが1時間で昼休み。「昼飯食べてきます」と家に帰って食べたり、リストランテで食べたりと約1時間半ほど昼休みを取ってしまう。(商店などは閉まってしまい、3時ころとか夕方にならないと再開しない)
仕事に戻って1時間ほどすると3時の休憩、またバールへ行って喋ったりしているともう4時頃、もう仕事に戻っても後片づけの時間。5時にはダッシュで帰宅する。(残業などもってのほか)
帰宅しても外はまだ明るい。夏だとサマータイムなので8時頃まで明るいのだ。子供と遊んだり、家族で買い物に行ったり、移動遊園地が来ていたら子供を連れて行ったりと日が暮れるまで過ごす。
夕飯は7時半とか8時頃から食べ始める。家族で今日の話しなどしながら10時頃までゆっくり・しっかりと食べる。

こんな優雅な生活をしてみたい。