「イタ車談義」その30
このところ、デルタの故障が発生しない。やはり日常の手当をきちんとやっていれば、そうそう壊れるるものでもないという持論が証明されているようだ。(自画自賛?)
しかし冬のデルタは昔の車のようだ。先日久しぶりに長距離を乗ったのだが、高速に入ると水温計がぐんぐん下がり、50℃くらいを指している。オーバークールだあと思っていたら、前方が事故で渋滞となった。とたんに今度は90℃以上に水温計が跳ね上がり、「ブーン」と電動ファンが廻り出す始末。電動ファンが回り続けているにもかかわらず、水温計はどんどん上がっていく。ヒーターを全開にして助けてやろうと思うが全く効果がない。
なんとかインターを下り、一般道をタラタラと行くとまたぐんぐんと水温計は下がっていく。こんな調子ではサーモスタットやラジエータキャップも傷むはずだよなあと思いながら、ふと思いついた。
ひょっとしてデルタって、「泳ぎ続けないと死んでしまう魚」みたいなものじゃないのか?
全開で走り続けないといけない宿命が仕組まれているような気がしてきた。
確かに毎日乗らないと調子悪いのである。まあ、これは機械ものならある程度そうなのだが、デルタに至ってはそれが顕著に現れるような気がする。
またイタ車は「10万キロ超えてからがいいんですわ」という人が多いように、乗れば乗るほどエンジン快調なんです。
デルタはもうすぐ70000キロ。国産車ならそろそろ買い換えを検討するだろう。
しかし、今もって不満がないのは前に書いたとおりで、だんだんデルタが面白くなりつつあるところだ。
次はどこの部品を交換しようかなと考え続けることが出来る車。
逆に乗り手にとっては急に致命的な故障が発生するわけでなく、壊れる経過が判りやすい車。
昔の車はそういう車が多かった。そう考えると今の車は「ブラックボックス」の様だ。
どちらがいいかは人によって意見が違うだろうが、故障の経過が判りやすいというのは利点だと思う。


「イタ車談義」その29
冬道はなかなか気を抜いて走ることが出来ないが、デルタに乗り換えてから確実に冬道が「楽しく走れる」ようになった。以前だと、通勤途中の峠では毎回テールが流れ、ついつい逆ハンとなりガードレールに寄って行き、それがいやでのそのそとコーナーを曲がるため、後ろに何台も車を従えていたのだが、デルタになったとたん後ろに車を従えるどころか、前には車が居ても、後ろが付いて来られないくらい雪道では「速く走れる」ようになったのである。
さすがにモンテで強かったランチアだ。よく考えたら、87年から92年までの栄光の6年間で、モンテでは5勝と圧倒的な戦績を残している。チュリニ峠で速い車が飛騨の峠で遅かろうはずがない。
実際に走ってみると、コーナーで非常に安定している。高速を走っていても感じるのだが、ふらふらしない。どしっと安定している。車重があるからなのか、サスペンションアームのスパンが大きいのか、トレッドの広さなのか、とにかく安定している。国産のスポーツカーがけっこう負荷を与えないと安定せず、逆に低速ではふらふら走るのとは全く違う味付けだ。それでいて曲がる時にはスパッと曲がる。これらはどうもホイールベースが短いのが影響しているような気がする。
ちなみにトレッド/ホイールベース比は1.65、これはランチアストラトスの1.51には及ばないが、ランチアラリーの1.63に近く、4輪のアライメントがスクエアに近いということだ。なお、スバルインプレッサが1.71、R32GTRが1.77、パルサーGTI−Rでも1.69である。4輪アライメントがスクエアに近いということは、慣性モーメントが小さいということ。つまりテールが出てもそのままダーッと流れにくいということが言える。逆にドリフト族にはホイールベース長いのがいいのかも。そう考えると、ホイールベース長いスポーツカーと言うのは、速く走るためにではなく、テール流して遊ぶための車なのかも知れない。


「イタ車談義」その28
とうとう、雪が降り出した。スタッドレスタイヤに交換して既に準備は万端だ。こと安全に関する話しなので、早めに交換するようにしているが、基準としては家から見える山が2回目に白くなる頃に交換している。3回目には道路に積もるというパターンだ。まあ、山が白くならなくても12月に入れば交換するようにしている。
タイヤは去年と同じ「ミシュランマキシアイス2」だ。いつもなら2冬履いたら3年目に交換という場合が多かったが、今年は貧乏なため3年履くことにした。「事故るぞ」と脅かされながらも、「いや、このタイヤで1年目に事故っているからもう悪いつきは落ちている」と説得力のない返事をしている。タイヤ新品でも事故る時は事故るものだ。(その3参照)
道路運送車両法ではスタッドレスタイヤに関する規定はない。タイヤの中でスタッドレスタイヤ(滑り止め装置)の話しが出てくるのは「道路交通法」だ。不思議な話である。

 

で、左の写真のほぼ中央にある、溝の中の大きいブリッヂが「プラットフォーム」で、溝の1/2の高さになっている。
これより摩耗していると「滑り止め装置」とは認められない。右の写真、真ん中よりちょっと左に写っている、大きいブリッヂが「ウェアインジケーター」で、高さが1.6mm。これより摩耗すると車検が通らない。ウェアインジケーターはトレッドに横断する形で設置されていて、サイドウォールにはマークがある。プラットフォームはメーカーによって違うが、タイヤ1本に1箇所という場合が多く、多くても数ヶ所。マーキングもないから以外と普通の人は存在すら知らない。
でもこれを知っていないと雪道でチェン規制にあった時、「チェン付けなさい」と言われることになる。「えー、スタッドレスタイヤですよ」と言っても通じない。警察は危険と判断すれば止めてしまう。注意したいものだ。
なお、写真はミシュランのドライス。

「イタ車談義」その27
約2週間かかって、カセットデッキが直ってきた。またまた出費である。先日のオイル交換以降の修理代は約○○万円かかってしまったこととなる。車検をもう1回やったような金額だ。夏の車検が安くて良かった良かったと言っていたら、ちゃんとつじつまを合わせてくるあたり、やはりイタ車はあなどれない。まあ予想はしていたことなので、こんなことくらいでは驚かないが普通の人はそうは思わないらしく、「やっぱりか」とか「車換えたら」とか無責任なことをおっしゃる。
しかも、そういうことを言う人に限ってぴかぴかの新しい車に乗っている。ここで思ったのは、おおかたの人が車に対するこだわりというのは何をもって言うのかという素朴な疑問だ。数年で新しいものに買い換えるということは、逆に言えばすぐに車が古くなってしまう、もしくは飽きっぽい性格、つぎつぎと新しい装備を打ち出して古いものをもう使い物にならなくなってしまったかのように思わせる、という営業サイドの考え方の上に成り立っている。これはもうマインドコントロールに近いものがある。
しかし僕はデルタを買って、この呪縛から逃れることができた。10年前から欲しいと思っていてやっと買うことが出来たということもあろうが、2年たっても全く手放したいとは思わなくなった。故障しようが、不具合があろうが、ほとんど気にならない。かえって人間味があっておもしろい。「今日は調子はどうかな」とエンジン掛ける時に気を集中するくらいだ。手放すどころか、部品取りやスペアカーでもう1台同じのがあってもいいと思っているくらいだ。インプレッサも同じ型を2台買ったくらいで、気に入ったらまた同じものを求める傾向はあるようだ。しかも、気に入っているのは車のクルマたる部分で、僕の場合はドレスアップや豪華装備には全く興味がない。だからクルマは汚い。土日の度に車を洗っている人もよく見るが、錆びるのが怖くてあまり水に当てたくない。ちょっと触ると壊れたりもするのであまり触らないようにしている。
まあ、価値観が違うと言えばそれまでなので深くは追求しないが、車としての選び方は間違っていないと思う。

「イタ車談義」その26

オルタネータが直ってきた。リンク品交換なので壊れたものは下取り。言っておいたメーターランプ球切れも修理してあった。ところがである。メーターを外した時にハンドルの位置を変えたらしく、再調整しようと思ったらチルトレバーが全く効かない。おまけにラジオもうんともすんとも言わなくなってしまった。さらにウインドウオッシャも片方出ない。
なんだこれはと思い、修理工場へ電話する。チルトレバーは原因がわからないので再度見たいという。ラジオはオルタネータ整備前から鳴りませんでしたという返答。ウオッシャは自分でも直せそうだったが、ついでに直してと頼んだ。
結果はチルトレバーについては嵌合部が割れていた。ラジオは原因不明。ウオッシャはエア吹き込んだら直りました。という結果。
壊れる時にはいっぺんに出てくるものだなあと思いながら、ラジオは分解して見てもらうことにした。
またしても嫁さんには「いっそのことラジオ外しちゃいなさい」と言われる。もっともあまりラジオは使用しないが、たまに交通情報聞きたい時もある。なければ不便だが車自体の走行性能には全く影響がない。
しかられながらもとりあえず修理することにした。
というわけで、カセットの部分はぽっかり空いたままという状態である。