番外編「ShinZan、イタリアへイタ車を見に行く」
なぜか突然、イタリアへ行くことになった。これは写真とイタ車とイタ飯三昧の旅行のようなものだ。
実は11年前にもイタリアへ行ったのだが、かなり時間も経過して、現在のイタリア道路事情はどうなったのかなあという興味もあった。
まあ、今回は南イタリアなので北イタリアとは事情が違うかもしれない。なんといっても南イタリアというのは農村地帯が多く、日本の農村でフェラーリを見ないのと同じく、地方都市ではそんなに見ることはないだろうとは思っていた。
北イタリアのミラノなどではフェラーリのでかいディーラーがどんと構えていたりしたものだが・・
結局イタリアに居た6日間で見たフェラーリは360モデナが1台のみ。
では、圧倒的多数を占めていた車とは・・これをここで大公開してみることにする。


まず行ったのはカプリ島。さすがに車では行けないので高速船に乗り込んで出発。

 
カプリの街は島なので道が非常に狭い。しかも断崖絶壁に張り付いている道路をミニバスの運ちゃんはハイスピードで対向車とすれ違う。すごいテクニックである。乗客はキャーキャー言いながらそのうち断崖の恐怖からか静かになってしまった。


道が狭いので、ピアッジオのオート三輪や、電動ミニカーが大活躍。こんなのが走っている脇をミニバスがヒョイヒョイとパスしていく。

 
ここは洞窟住居で有名なマテーラの新市街、ランチアもいっぱい居てうれしい。主流はムーサとイプシロンだった。

 
マテーラはからからに乾燥していた。日差しは強くて暑いのだが、日陰に入るとうそのように涼しい。フォードフォーカスなど結構走っている。右はコセンツアの街、道路の真ん中に皆堂々と路上駐車している。右のワゴンは日本ではまず見ることのないランチアカッパ。

 
コセンツアの街は丁度お昼時で、バールやリストランテに昼飯を食べに来たり、家に戻って食べていたりするので、ご覧のとおり路上駐車の嵐。はんぱじゃないです。

 
ヴィラサンジョバンニ港の壁には何とデルタS4の看板が!どうやらダートラみたいなイベントがあるようだ。うう見てみたい。港の倉庫街ではフォードフィエスタやプントが見える。フェリー待ちの車列はバカンスのキャンピングカーがうようよしている。アルファ156やフォードフォーカスなども居た。でもほとんどがディーゼルだねえ。イタリアはガソリンが高くて燃費の良いディーゼルが多い。これは環境対策で3リッターカー(3リッターの燃料で100km走る車)を推進しているという背景もあるのだろう。

 
イタリアの高速道路料金所、ほとんどETC化されていてすごい。こちらではテレパスシステムと言う。ETCを世界で初めて実用化した国だけのことはある。日本でもETC導入の際、大挙して視察に来たのだとか。その割りにはETCが進んでいないぞ(怒)。
 
高速道路はアウトストラーダと言う。料金体系が面白くて、市街地区間は無料で、郊外へ出ると課金される。イタリアの高速料金はとても安くて、某長野県知事が日本の高速料金をイタリア並みにしろと息巻いていたのは有名。
左の写真で面白いのは、路肩の速度看板。工事現場がこの先にあるのだが、日本なら「速度落とせ」と書いてありそうなもの。なぜに数字表示か?考えれば判るが、ここは大陸なんである。文字で書いてあってもイタリア語が読めない人が走っているかもしれない!そう考えれば現実に即した表示なのだ。(実際、他国ナンバープレートの車などうようよ走っていた、日本では考えられないことだ!)
右はイタリアとくればおなじみのガソリンスタンド「アジップ」昔はフェラーリF1のスポンサーもしていたのだが、今はシェルにその座を譲ってしまった。(シェルはオランダの企業)

 
アグリジェントの神殿の丘には警察のパトカーが止まっていた。?昔ローマで見たのは青白逆だったような気が・・州によって違うのか?でも相変わらずパトカーはアルファが多いな。
右はまたしてもピアッジオのオート三輪。日本にも輸入したら売れると思うのだが・・1台欲しい。

 
モンレアーレの街、ふつうの住宅街も車が駐車、でもちゃんと1台は通れるように空けてある心配りがにくい。
右はパルレモの街、シチリア島最大の都市。雨が降らないのでアスファルト舗装の道は埃や油などでテカテカに光っている。非常にスリッピーな路面だ。こんな路面があるかと思えば、テカテカの石畳路があったりして、自動車やドライバーには厳しい道路だと言うことが出来る。こんな道をびゅんびゅん飛ばして、それでいて事故もあまりないというのは、やはり運転技量の差なのか。

 
パルレモの繁華街は車も多いが、道はやはり細い。そんなところに観光辻馬車なんかも走っている。しかしそんなのがもうあたりまえなので不思議にも思わないのだろう。

 
左は懐かしい色のパトカー発見。駐車違反の取り締まりでもしているのか?まさかね。
右は車の渋滞、と右側に辻馬車が居る。渋滞がひどいので、モペットやスクーターなど二輪車もすごく多い。

と、まあ久しぶりのイタリア道路事情は11年前とあまり変わっていないように思える。もう車社会が熟成しているということなんだろうね。走っている車もマニュアル車がほとんどだし、運転技術も皆すごい。
翻って、日本の車事情は・・どうも自分が見る限りは車に対する考えが日本人は特殊なようだ。いわく、
・潔癖性かと思うほど車のキズを細かく気にする(そんなに大事なら外で乗らずにガラスケースに入れとけ)
・画一化した性能を求める(性能は数字や装備じゃないぞ)
・道路は狭いのに大きな車に乗りたがる(大きい車に乗っているのが偉いと勘違いしている)
・はっきり言って平均運転技量レベルが低い(車の能力に頼っている、大きい車に乗っている者ほどへたくそが多い)
・オートマしか乗らない(どうも日本人は車に対する考えがアメリカに近いな)
・直線番長が多い(車の楽しさはコーナリングだと思うがね)
などなど・・

しかし、イタリアではほんとに車が生き生きと走って(走らせて)いたのにはうらやましく思ったね。自分もイタリア風に乗れるよう努力しよう。(2005.9.8)