ツアイスレンズ名前いろいろ

ミクロター

接写専用のレンズで、焦点距離10mm、f1.6というものがあった。1932年

ホロゴン
エアハルト・グラツェル博士とハンス・シュルツ博士によって開発された、
スーパーワイドレンズ。当初は焦点距離15mm、f8であったが、現在のも
のは焦点距離16mm、f8となっている。名前の由来はギリシァ語のホロス
(「すべて」という意味)とゴン(「大きな角度」という意味)を語源に持って
いる。1968年

ディスタゴン
エアハルト・グラツェル博士らが開発した、レトロフォーカスタイプの広角
レンズ。レンズとフィルムの距離(ディスタンス)を長く取ることが可能な
ことから、一眼レフの広角レンズとして使われる。

ビオゴン
ルードヴィッヒ・ベルテレ博士が開発した広角レンズ。レンズエレメントは
対称型で、バックフォーカスは短い。このため一眼レフには使えない。だ
が、ビオ(生命)という名前の由来のとおり、いきのいい写りをするレンズ
で、ディストーションも皆無と言ってよい。1936年

トポゴン
ローベルト・リヒター博士が戦前に開発に関わったレンズだが、発売され
たのは1950年、測地用レンズの応用とされる。焦点距離25mm、f4だった。
戦前型のf4.5のものはすごく切れの良い描写をすると言う。

テッサー
エルンスト・ヴァンデルスレブ博士、パウル・ルドルフ博士が1902年に開
発したテッサーは、イーグルアイ(鷹の目)とも呼ばれ、シャープでコントラ
ストの強い写りをする。その後メルテ博士によってf値は2.8まで引き上げ
られ、現在においてもコストパフォーマンスの高い名レンズである。名前の
由来はギリシァ語の4を意味するテラーサから来ていると言われ、基本構
成は3群4枚である。

フレクトゴン
フレクトゴンは焦点距離35mm、f2.8が有名だが、戦後東ドイツのツアイス
イエナが得意としたM42レンズとしてコンタックスSをはじめとする一眼レフ
に装着された。20mmf2.8,f4,25mmf4,35mmf2.4も存在し、中古市場にはよ
く出回っている。

ビオメター
ビオシリーズの素性のよさが有名で、やはりよい描写をするらしい。1950年
発売の35mmf2.8が有名。80mmf2.8もある。

プラナー
パウル・ルドルフ博士が1896年に発表した、ツアイスでは最もスター性の
あるレンズ。ただし、レンジファインダーの時代は廉価版の扱いだった。
バックフォーカスが長いことから一眼レフの時代以降急激に進化して、市販
型では55mmf1.2が最強の100周年記念レンズとして発売された。NASA仕
様ではf0.7という世界で最も明るいレンズも作られ、この記録は破られてい
ない。

オルトメター
これもメルテ博士が関与したと言われる、測地写真用レンズ。35mmf4.5とい
うものがあった。

ビオター
メルテ博士が設計したビオシリーズのレンズ。40mmf2,58mmf2,75mmf1.5と
いうのがあった。

ゾナー
ルードヴィッヒ・ベルテレ博士が1929年に開発した名レンズ。レンジファイン
ダーの時代では大口径のスターレンズだったが、バックフォーカスが短いこ
とから一眼レフの標準レンズにはなり得ず、現在は望遠系、ズームなどで多
く使われる。180mmf2.8は「オリンピアゾナー」とか「光の巨人」と呼ばれ、
戦前では比類のないレンズだった。現在のゾナーは廉価版扱いされているも
のが多いが、アポゾナー200mmf2は「オリンピアゾナーU世」と言ってもよい、
特別なレンズ。

トリオター
トリオターはゾナーの廉価版のような扱いを受けているが、85mmf4と135mm
f4があった。現在はルーペにその名を残している。

テレ・テッサー
テッサーのテレ(望遠)タイプであるが、300mmf8からスタートした望遠レンズ
は長玉でも小型軽量化が可能という利点がある。
300mmf4が有名だが、ハッセル用ではテレアポテッサー500mmf8というのが
あるし、35mm用でも400mmf4とか、300mmf2.8というアポ高級レンズもある。

フェルン
望遠レンズで、500mmf8というのがある。1934年発売

ミロター
ツアイスの反射式望遠レンズで、500mmf4.5や1000mmf5.6というのが、ライン
ナップされていた。現在は500mmf8だけになってしまったが、人気はいまひとつ
というところ。変わったところでは夜間撮影用のNミロター210mmという謎につつ
まれたレンズもある。

ムター
ツアイスのテレコンバージョンで、普通のレンズとボディの間に装着することによ
り焦点距離を伸ばすことが出来るレンズ。ヤシコン用の場合、TUVと3種類存
在し、TとUは2×でVは1.4×である。中判のハッセル用などにも存在する。

ムタゴン
ソニーのビデオカメラ用ワイドコンバージョンレンズ。レンズの先端に装着するこ
とにより、焦点距離が0.6×となる。またソニーにはテレ2×というテレコンバー
ジョンレンズもあり、こちらもレンズ先端に取り付ける。
なおこの2本のコンバージョンレンズはビデオカメラ用レンズとして初めて
T*を採
用している。