ContaxとZeissT*のこと

第8話  中古カメラを買う
中古カメラを買ってしまった。ものは「コンタックスS2」です。「またコンタックスか」と言わ
れそうだが、今回のコンタックスS2は今までのものとは少し違う。何が違うかというと、
これは「コンタックス生誕60周年」記念機なんですね。
新世代のコンタックスにあって唯一、旧世代から引き継ぐ型番の機種なんですよ。
この「コンタックスS2」があるということは、「S」があった訳ですが、その「S」は、旧コンタ
ックスだったのです。カタログには、「RTS3でカメラグランプリを取った今、基本に戻りこ
れを作ることにした」という意味のことが書いてある。
そう、旧コンタックスのイメージを追った「S2」は、マニュアル機なんです。しかも、メカシャ
ッターに手動巻き上げという新世代コンタックスを見慣れた人には奇異に映る製品だった
のです。実際、商業的にも成功したとは言い難く(メカシャッター機としては売れてはいた)、
数年でカタログからも消えてしまったが、発売時の意気込みはカタログを見るとよく解る。
実は昔からずっと欲しかった1台だったんです。
店の人曰く、「S2はめったに出ないんで相場も高めですね」とのこと。ということは、皆大
事に使っているのだろう。AE、AFが全盛の時代にあえて逆らって売り出されたS2。
確かに記念碑的なカメラではある。
メカ的には、カバー類が総チタンであるなど、コンタックス一眼では珍しい。
60周年以外は普通のシルバーと、チタンブラックで中央部重点測光のS2Bがあった。

 コンタックスS2”60周年記念”