ContaxとZeissT*のこと

第72話  フィルムの画像

久しぶりに、ハッセルを引っ張り出してみたところ、中にまだ使い残したフィルムが残っていた。
これは早急に現像へ出さねばと思い、丁度地元の祭りでもあったことから、フィルムを消費(撮影)することにした。
さらに、フィルム在庫を調べてみると、消費期限が過ぎてしまったものも1本発見した。
これはいけない。まあこんな動機でもないとなかなか撮影できないことにも反省するのだが・・
逆にこのフィルムの消費期限があることで、自分に撮影のノルマを課しているようなものだ。

祭りや桜の写真を撮っていると、どうも巻き上げの調子が良くない。やはり機械ものだけに使わないと調子も悪くなるのかと思った。

しかし久しぶりにハッセルのファインダーから見たプラナーの3Dのような画像は感動ものだ。
この画像は普通のデジカメでは見ることが出来ないだろう。子供に見せてやったところ、「うわあ、立体や」とびっくりしていた。
子供の写真も撮ったが、いつか「昔お父さんにでっかいカメラで撮ってもらったんだ」と憶えていてくれるだろうか。

ところで最近は写真を撮るにもデジカメで済ませてしまう場合が多くて反省しているのだけれど、子供たちはもう完全にデジカメ世代、写真撮ってもすぐ「見せて見せて」と言う。
でもフィルムカメラの画像もまだまだ捨てたもんじゃない。
デジカメは便利なものではあるけれど、便利というだけのもの。
フィルムカメラのように「画像そのもの」がネガやポジとして残る訳ではない。そういう利点があると思うのだが、一般にはあまり理解されていない。(うちの嫁さんなどすぐネガを捨ててしまうので困っている)

撮影したフィルムは取り出して、現像に出した。
果たして、上がってきたポジはというと、やっぱり2箇所ほど巻き上げがおかしく、画像がかぶっていた。
写真自体も2年近く前に撮ったものもあって、いかに使っていなかったがばれてしまう。

でも、ポジの画像はやっぱりいい。もうデジカメ全盛の今となっては好みの問題としか扱われないけれど、パソコンモニターで見るデジカメ画像よりはだんぜんポジの画像が好きだ。
写真というのは解像度だけでないというのが即座に理解できる。

もともとツアイスは解像度よりもMTFを重視していたが、この考えはフィルムの特性に合わせた設計と考えることが出来る。
新世代のツアイスはデジカメ用のセッティングがされているのだろうか。
将来的には試してみたいが、デジカメの場合ベースとなるカメラの特性に影響されると思われ、クラシックツアイスを味わうことが出来る特性のカメラが何かというと決定版が思い当たらない。
今のとこはライカM9かと思うが凄く高価だし手が出ない。
ツアイスイコンのフルサイズデジカメが出ないものかな。希望を言えばコンタックスレンズがマウント改造なしで付くような・・

(2010.4.30)