ContaxとZeissT*のこと

第60話  ZFとZS

ニコンが35mmフィルムカメラ事業を縮小し、一般の新聞でもフィルムカメラの時代が終わったかのように報道されているのを見るのは悲しいが、ツアイスはそんな中、マニュアルフォーカスのニコンFマウント一眼レフ用レンズを開発していることを発表した。
もちろんデジタル対応のレンズではあるのだが、ツアイスのホームページではF6に取り付けられた姿が堂々と掲載されていて、ツアイスがフィルムカメラを諦めていないということがよくわかる。
違うページでもフィルムカメラの意義について書かれたページもあり、そこでは自分が常々思っていたある重要な話しが載っていた。
つまり、デジカメの画像は「画」そのものではない、という話しだ。
銀塩カメラで撮ったネガなりポジは手にした時、既に「画像」なのだが、デジカメの画像はあくまで「データ」であって、モニターに映すとか、プリントしないと画像は得られない。
写真家が撮った写真は、よくオリジナル性が議論されるが、銀塩カメラで撮った作品は突き詰めていくとオリジナルのポジまたはネガに収束する。
ところが、デジカメはデータなので、全くオリジナルなデータと言えども最初から「画像のコピーデータ」な訳で、オリジナルの概念がフイルムの場合とは全く違うということが判る。
それゆえデジタルデータは「原本性」の管理において慎重に対応しなければならないのであるが、どうもこの部分について一般の人々は危機感を持っていないように思える。
いずれにしても、原本性の確保についてはフィルムの方が管理しやすいし確実なのだ。
フジフィルムやコダックもツアイスと話しをしたようなのだが、フイルムは当面無くならないという見解になっているようだ。

ところで、FマウントのZFとM42マウントのZS、2種類のレンズが出る。製造はやっぱりコシナであった。コシナの一眼レンズが生産中止になっていたから、何かあるなとは思っていたが、その生産施設をZFとZSに振り替えたのだろうか?
すると次は・・ベッサフレックスが生産中止になったことを考えると、M42マウントのツアイスイコンが出るのか?名前は・・まさかコンタレックス復活?
個人的にはヤシコンマウントで作ってほしいねえ。
(2006.1.18)