ContaxとZeissT*のこと

第51話  崖っぷちのコンタックス

2004年12月22日、京セラはフィルム使用のコンタックスの多くを製造終了したと発表した。
RX2、アリア、T3ブラック、TVS3、レンズではD35の2.8と1.4、D25、FD16、MP60Cも製造終了という。RX2などはついこの間出たばかりだと思ったが、残念なことだ。
しかし最も稼ぎ頭であるべきアリアをもやめたというのは、MFが終わったと宣言したに等しい。
もっとも、京セラは光学事業でカメラ製造ラインを撮像モジュール製造に振り向けるという発表をしていたので、今回のこともある程度は予測できていた。
しかし、その代わりにデジタル部門が強化されたのかというと、コンパクトデジカメを出したのみで、他社の様なAPSサイズデジタル一眼を出すわけでもなく、京セラブランドのデジカメもやめるということだし、全体的な規模縮小ということだろうか。もう絶望的な状況である。
ところで年が明けて2005年はコンタックスにとっては記念すべき年だ。実は1975年にヤシカ−コンタックスが発売されて30年という節目の年なのだ。しかも、1974年にヤシカとツアイスが提携した時、8年契約だったことを考えると、2006年に契約が切れるとも考えられる。
この8年周期というのはヤシカ−コンタックスの歴史では重要な年である。コンタックスRTSは1974年のフォトキナで発表され、8年後の1982年にはRTS2が発売された。またその8年後の1990年にはRTS3が発売されている。その8年後の1998年はアリアが発売されているが、1999年発売の645は1998年には概成していたと思われるのである。つまり、この8年周期にはフラッグシップ機が登場する可能性が高いのだ。
この期待に対するツアイスの回答は例の「ツアイスイコン」なのか?それとも新たなフラッグシップ機が登場するのか。それとも契約切れで撤退なのか・・
当面は静かに見ていようと思う。(2005.1.7)