ContaxとZeissT*のこと

第48話  小さなミロター

コンタックスのNシステムが登場した時、第一印象は「なんと太いレンズだろう」ということだった。
もっとも、AF化のためモーターがレンズ組み込みになって、極太になってしまったのだが、レンズのレイアウトを妥協してやればキャノンくらいの太さで収まったのだろうが、よっぽどツアイスという会社は妥協しない会社なのだろう。
妥協できなかったために巨大化したレンズと言えば、ディスタゴン15mmが有名だけれど、ツアイス最大のレンズと言えば1000mmのf5.6だろう。
そして500mmのf4.5も巨大だった。当時の国産レンズが1200mmでf11くらいだったことを考えると、大口径ゆえに巨大化せざるを得なかったのだろう。
その後国産レンズも頑張って、今や1200mmでf5.6くらいになっている。
そしてツアイスの巨大レンズは知らないうちにカタログから消えてしまった。代わりに名前は同じミロターというものの、国産のミラーレンズと同規模の500mmf8が現れた。



この可愛らしいミロターだが、カメラに取り付ければそれなりに大きい。
Nシステムのレンズといい勝負だ。
しかしミラーレンズであるからして軽いのだ。手持ちでも使えるのじゃないかと思わせる軽量な超望遠レンズは意外に使い道があるかもしれない。
ミラーレンズはドーナツ状のぼけが現れるが、それもレンズの味として割り切るなら、ミロターはリーズナブルな超望遠レンズとしての価値があるだろう。