ContaxとZeissT*のこと

第47話  The Plannar

今、机の上にヤシコンマウントで最も手に入れたい1本と思われるレンズがある。そう、「The Plannar」と言って差し支えないだろうが、55mmのf1.2である。



ヤシコンマウント用ツアイスレンズの限定レンズもいろいろあれど、これ1本と言えば、誰もがこのレンズを挙げるにちがいない。
価格は発売当時で\450,000というプライスを付けていたが、ディスタゴンの15mmやアポゾナー、テレアポテッサーなどと比較すればお買い得感がある。
しかしなんと言っても、皆プラナーが好きなのだ。プラナー誕生100周年記念という、伝説もあるのだろう。ツアイスコレクターならば絶対に外せない1本なのだ。
ディスタゴン広角ならば15mm、ゾナー望遠ならば200mmを使ってみたいと思うのと同じく、標準レンズならばこの55mmだ。ちなみにツアイスイコンのコンタレックスには55mmのf1.4バージョンは存在していた。しかしf1.2というのはヤシコンにしか存在しない。
このレンズをまず手にして思ったのは、思ったより小さくて軽いなと感じたことだった。既に自分の感覚は麻痺していて、「ツアイスは重たい」と決めつけていたので、大きさと重量のバランスが普通なレンズを「軽い」と錯覚してしまうのだ。
あらためて85mmのf1.2と比較するとその差がよく判る。

 
左P85、右P55

55mmのf1.2と言えば、以前ニコンで使っていた。その頃も思ったのだが、標準レンズはやはり55mmがしっくり来る。ヤシコンでは60mmをよく使っていたのだが、やはりちょっと望遠ぽくて1歩下がったりしていたのが、55mmではあまり気にしなくても普通にフレーミングできるのだ。
やはり「標準に始まり標準に終わる」というのがレンズの使い方にも当てはまるのかもしれない。
ところでいろいろ言われるプラナー55mmのファイダーから見た感想は、噂通りとてもシャープ。60mmと比較のため付け替えて確認するが、パッと見て全然違う。フレアも少なく、硬い印象を持った。色の感じは85mmのf1.2に似ているなあと思う。
これからはf1.2シリーズの出番が増えそうだ。