ContaxとZeissT*のこと

第31話  孤高のボディ

中古ではあるが、コンタックスRTSVボディを導入した。
このカメラボディは1990年発売以来、一般に入手できる35mmSLRボディとしては、最高価格の記録を破られていない超高級機でMF機としてはいまや孤高の存在だ。



ちなみに新品定価は350000円、ニコンF5が325000円、キャノンEOS1−Vもパワードライブブースター付で325000円である。
F5もEOSもAF機である。MFのRTSが10年以上昔にこの価格というのは、はっきり言って「売る気がない」と思ったものだが、現在に至るまで価格据え置きというのはこれまたすごいことだ。こんなバブリーなカメラではあるが、現在でも使っているプロカメラマンは多い。まあ、ヤシコンマウントのレンズという遺産を大切に使っている人には手放せないカメラなのだろう。
ところで自分自身、かつてRTSVが欲しかったものの、あまりの高さにSTを買ったというのは以前書いたが(第4話)、念願かなってRTSVを手に入れ、ファインダー覗いた時には、不覚にもSTを手放す価値はあったと思ってしまったのだった(ごめんST)。やはり腐っても鯛、ボロでもRTSVということだ。
いろいろと言われるその重量は電池抜きで1150g。F5の1210g、EOS1の1380gに比べれば軽いものの、STに比べて約5割増しはけっこう応える。
レンズと合わせれば簡単に2kgを超える。首にぶら下げているだけでも肩が凝りそうなのだ。プロカメラマンは体格のがっしりした人が多いが、やはりこんなカメラを振り回していればそれも当然かと思われる。
助手も持たないアマチュアカメラマンにとっては、格好の体力づくりアイテムなのかも知れない。
(2002.11.27)