ContaxとZeissT*のこと

第27話  モニター事件

こんな話し書くのもいやだが、事実として書かなければならないだろう。
先日、インターネットで何かいいもの出てないかなーと思い、ホロゴンの中古を検索していたら、新品同様で148000円というのがあった。
ホロゴンの定価は280000円、実売価格でも22−23万である。金融品なら168000円くらいで流通している。それに比べても安い。見てみるとそのカメラ屋は車で行けば近いところにあるので行って見ることにした。
カメラ屋にはいろんなものがならんでいた。
ホロゴンもその中にあった。部品もすべて揃っている。程度はというと確かにカメラへ装着した跡すらない。インターネットで元箱付とあったので、箱も見てみる。
ここで驚いた。なんとこのホロゴン、例のモニター品ではないか。
保証書も付いていた。大阪のカメラ屋の名前がそこにあった。モニター品を扱っていたのは大きい量販カメラ屋が主だ。その店自体は信用のおける店なのだろう。しかしなぜ、モニター品が148000円で中古市場に出回らなくてはならないのだ!
非常に面白くない。どこかの誰かが、ただでまるまる78000円も儲けているということなのだ。これを悪事と言わずして何だ!
無性に腹がたったので、店長に「これモニター品じゃないの」と苦言を言うと、ポカンとした顔をしている。どうもモニター品の話しは知らなかったらしい。つまりカメラ屋も騙されたのだ。
ここで考えてほしい。知らない人なら148000円でホロゴン買って、良かった良かったで済むのだが、いかにホロゴンとは言えモニター品に新品より高い価格が付くのはおかしい。
京セラの意図は、安く提供するかわりにいい作品を撮って永く使ってほしいという意味があったはずなのだ。僕もビオゴン21mmのモニターを持っているが、手放す気持ちは全くない。手放したとしても買った値段以上は付けない。
今回の事件はツアイスと京セラに対する冒涜と裏切りだ。モニター品ならモニター品として70000円以下で中古に流通させるべきなのだ。
意地でも、悪事に加担などしないぞと心に決めた事件だった。