ContaxとZeissT*のこと

第25話  6×6のプラナー

ついにというか、やっとでと言うか、ハッセルの中古を買ってしまった。僕らはハッセルに憧れた世代で、学生の時には既に黒レンズになっていたが、「ハッセル」と言う響きはイコール、プロカメラマンであり、通常のカメラ店では見ることすらできないという幻のカメラだったわけで、持っているだけですごいと思わせてしまうカメラだった訳ですね。
しかしここ数年、AF化の波は中判カメラにも押し寄せ、現在も電池を使わないハッセルという存在は逆に珍しいものになってしまったのかも知れない。
しかし、元来の機械好きな僕としてはやはり中判を買うならハッセルだと決めていた。コンタックス645にも心は動くけれども、20年来の憧れを実現するためにハッセルにしたのだった。ところで機種を選ぶにあたり、当初は500CMを考えていた。値段はそこそこ安いし、あの白レンズもある。しかし、結局は503CXにしてしまった。まあ、妥協した訳だ。というか、ガンガン使う(機械は使ってこそ価値がある)考えでいた僕はコレクターズアイテムというより現実の使い勝手を選んだわけだ。これが良い判断かどうかは意見の分かれるところだが、とりあえず日常使いに使ってみようと思った。
ところで、503CXに付いていたのはいわゆるCFレンズである。80mmのプラナーだ。
見た瞬間に「マクロプラナー60mmに似ている」と思った。コーティングの色といい、レンズの全面がフラットに近い形といいよく似ている。プラナーでもいろいろあるが50mmや85mmとはずいぶんイメージが違う。
コンタックス645のプラナーを見たことがないので比較はできないが、やはりツァイスらしい存在感が確かにある。
まあ、それに応える腕になったかどうかは20年の憧れでカバーしてみたいと思っている。
まずは露出の勉強からやり直さないといけないのだろうか。